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特定空家に指定されると何が起こる?(固定資産税6倍・代執行リスク)

空き家を放置すると「特定空家」に指定され、固定資産税が最大6倍、最悪は強制撤去+撤去費請求まで及ぶ可能性があります。指定基準と回避策を解説します。

2026年6月1日 公開 執筆: 野呂英旦(株式会社佛英堂 五代目代表)
特定空家に指定されると何が起こる?(固定資産税6倍・代執行リスク)

「実家の空き家、しばらく放っておいても大丈夫だろう…」

そう思っていたら、ある日 「特定空家」に指定されました という通知が市役所から届く。固定資産税が6倍に。改善命令を無視すると 行政代執行(強制撤去) + 撤去費(数百万円)を請求 ── これは決して脅し話ではなく、 2015年の空き家対策特別措置法以降、全国で実際に起きている事例 です。

本記事では、特定空家の指定基準と、回避するための具体策をまとめます。

本記事は2026年5月時点の情報です。具体的な個別案件は当所連携の行政書士・建築士へのご相談を推奨します。

この記事でわかること

  • 「特定空家」とは何か
  • 指定されると何が起こるか(段階別)
  • 指定基準(松阪市の運用)
  • 回避するための具体策
  • もし指定通知が届いたら
  • よくあるご質問

「特定空家」とは

2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」で定義された区分。以下のいずれかに該当する空き家を、市町村長が指定できます。

  1. 倒壊等 著しく保安上危険 となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害 となるおそれのある状態(害獣・悪臭等)
  3. 著しく景観を損なっている状態
  4. 周辺の生活環境の保全を図るために放置が不適切である状態

該当の例: - 屋根の崩落・外壁の剥離が進行 - シロアリ・腐朽による傾き - 雑草・樹木が周辺道路まで侵食 - ゴミの不法投棄が始まっている - ハクビシン・カラス等の害獣の繁殖場所化 - 不審者の侵入・治安悪化

指定されると何が起こるか(4段階)

  1. 助言・指導市町村から所有者へ書面で「改善してください」と通知。罰則なし
  2. 勧告改善されない場合の次段階。住宅用地特例が外れ、固定資産税が最大6倍に(住宅地評価1/6→更地評価)
  3. 命令改善期限を示し命令。違反すると50万円以下の過料
  4. 行政代執行市町村が強制的に建物を撤去。撤去費用(数百万円)は所有者に請求

特に怖いのは 段階2(勧告) の段階で固定資産税が跳ね上がる点。今まで年間3万円だった税金が、勧告後は 約18万円(6倍) に変わります。

松阪市の運用(2026年5月時点)

松阪市では「不良空家」と「特定空家」を以下のように使い分けています。

区分 対象 主な扱い
不良空家 老朽化が進行中の空き家(評点50点以上) 解体補助金の対象(上限25万円)
特定空家 さらに保安・衛生・景観等で著しい問題のある空き家 助言→勧告→命令→代執行

不良空家 = 解体補助の対象 / 特定空家 = 強制撤去のリスク、と頭の中で分けておくとよいでしょう。

指定を回避するための具体策

対策1: 最低限の定期管理(年4回〜)

  • 草刈り(春・夏・秋の3回)
  • 雨樋・屋根の点検(年1回)
  • 換気(月1回)
  • 雪国の場合は冬の点検

費用: 業者依頼で 年5〜15万円 が目安。当所では遺品整理業者の付帯サービスとしてご紹介可能。

対策2: 解体補助金の活用

「不良空家」に認定された時点 で、補助金を使った解体が選択肢になります。詳しくは 松阪市の老朽空き家解体補助金 をご覧ください。

対策3: 古家付き土地での売却

住宅としてリフォーム可能な状態なら、解体せず売却もあり。詳しくは 古家付き土地 vs 更地 を参照。

対策4: 賃貸・民泊・店舗活用

立地次第で、空き家を別用途で活用する選択肢。三重県でも増えています。 - DIY賃貸(借主が改修・低家賃) - 民泊(松阪の観光需要・宿坊型) - 地域コミュニティスペース

対策5: 解体して更地化

最終手段だが、長期的には負担が軽くなる選択。補助金活用で実質負担を最小化。

もし指定通知が届いたら

慌てないこと。段階1(助言・指導)の段階なら、改善すればすぐに指定解除可能 です。

受け取った直後にやること

  1. 通知書の段階を確認(助言・勧告・命令・代執行のどれか)
  2. 改善期限を確認
  3. 市役所(空き家対策担当)へ問い合わせ(感情的にならず、改善意思を伝える)
  4. 専門家に相談(建築士・行政書士・解体業者)
  5. 改善プランを立てる(自分で・委託・売却・解体のいずれか)

勧告以降は税金が即跳ね上がる ため、勧告通知を受けたら 数日以内 に動くべきです。

よくあるご質問

Q. 親が亡くなって相続したばかりです。すぐに特定空家指定されますか?

A. 通常、相続から数ヶ月〜数年は猶予 があります。ただし、 明らかに危険な状態(屋根崩落・倒壊リスク等) の場合は早期指定もあり得ます。相続後すぐに現地確認をおすすめします。

Q. 固定資産税が6倍になるのは、勧告日からですか?

A. 勧告された翌年の1月1日時点で、住宅用地特例が外れる 仕組みです。例: 2026年12月に勧告 → 2027年度から税額アップ。

Q. 代執行されたら、本当に撤去費を払わなければなりませんか?

A. 法律上、所有者の支払義務があります。実際の請求例: 300〜800万円(規模による)。払えない場合は所有不動産の差し押さえになり得ます。

Q. 名義変更していない実家でも特定空家指定されますか?

A. はい。登記名義人(故人) + 相続人全員に通知 が来るのが一般的です。「自分の名義ではないから無関係」とは言えません。

Q. 当所はどんなサポートができますか?

A. 現状診断(不良空家認定の見込みあり/なし)・補助金申請サポート・連携解体業者のご紹介・行政との交渉サポートまで承ります。「指定通知が来たけど、何から手をつけたらいいか分からない」というご相談から、お気軽にお声がけください。

まとめ

  • 空き家放置の最大リスクは 「特定空家」指定 → 税6倍 → 代執行 → 撤去費請求
  • 段階は4つ:助言 → 勧告 → 命令 → 代執行
  • 勧告で税金6倍に跳ね上がる(2026年制度)
  • 松阪市は「不良空家」(補助金対象)と「特定空家」(撤去対象)を区別
  • 早期の現状診断 + 適切な対応で回避可能

「うちの実家、もしかして…」と不安な方は、現状診断のご相談だけでも当所にお気軽に。早めの相談ほど、選択肢が多く残ります

#特定空家#空き家対策#固定資産税#行政代執行
野呂英旦
株式会社佛英堂 五代目代表

明治39年(1906年)創業の仏壇・仏具専門店「ぶつえいどう」(株式会社佛英堂)の五代目代表。仏壇・お位牌・お墓のご相談から派生して、2026年に「実家整理相談所」を開設。松阪・津・伊勢で実家整理にお困りのご家族の中立な相談窓口を運営。

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