特定空家に指定されると何が起こる?(固定資産税6倍・代執行リスク)
空き家を放置すると「特定空家」に指定され、固定資産税が最大6倍、最悪は強制撤去+撤去費請求まで及ぶ可能性があります。指定基準と回避策を解説します。

「実家の空き家、しばらく放っておいても大丈夫だろう…」
そう思っていたら、ある日 「特定空家」に指定されました という通知が市役所から届く。固定資産税が6倍に。改善命令を無視すると 行政代執行(強制撤去) + 撤去費(数百万円)を請求 ── これは決して脅し話ではなく、 2015年の空き家対策特別措置法以降、全国で実際に起きている事例 です。
本記事では、特定空家の指定基準と、回避するための具体策をまとめます。
本記事は2026年5月時点の情報です。具体的な個別案件は当所連携の行政書士・建築士へのご相談を推奨します。
この記事でわかること
- 「特定空家」とは何か
- 指定されると何が起こるか(段階別)
- 指定基準(松阪市の運用)
- 回避するための具体策
- もし指定通知が届いたら
- よくあるご質問
「特定空家」とは
2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」で定義された区分。以下のいずれかに該当する空き家を、市町村長が指定できます。
- 倒壊等 著しく保安上危険 となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害 となるおそれのある状態(害獣・悪臭等)
- 著しく景観を損なっている状態
- 周辺の生活環境の保全を図るために放置が不適切である状態
該当の例: - 屋根の崩落・外壁の剥離が進行 - シロアリ・腐朽による傾き - 雑草・樹木が周辺道路まで侵食 - ゴミの不法投棄が始まっている - ハクビシン・カラス等の害獣の繁殖場所化 - 不審者の侵入・治安悪化
指定されると何が起こるか(4段階)
- 助言・指導市町村から所有者へ書面で「改善してください」と通知。罰則なし
- 勧告改善されない場合の次段階。住宅用地特例が外れ、固定資産税が最大6倍に(住宅地評価1/6→更地評価)
- 命令改善期限を示し命令。違反すると50万円以下の過料
- 行政代執行市町村が強制的に建物を撤去。撤去費用(数百万円)は所有者に請求
特に怖いのは 段階2(勧告) の段階で固定資産税が跳ね上がる点。今まで年間3万円だった税金が、勧告後は 約18万円(6倍) に変わります。
松阪市の運用(2026年5月時点)
松阪市では「不良空家」と「特定空家」を以下のように使い分けています。
| 区分 | 対象 | 主な扱い |
|---|---|---|
| 不良空家 | 老朽化が進行中の空き家(評点50点以上) | 解体補助金の対象(上限25万円) |
| 特定空家 | さらに保安・衛生・景観等で著しい問題のある空き家 | 助言→勧告→命令→代執行 |
不良空家 = 解体補助の対象 / 特定空家 = 強制撤去のリスク、と頭の中で分けておくとよいでしょう。
指定を回避するための具体策
対策1: 最低限の定期管理(年4回〜)
- 草刈り(春・夏・秋の3回)
- 雨樋・屋根の点検(年1回)
- 換気(月1回)
- 雪国の場合は冬の点検
費用: 業者依頼で 年5〜15万円 が目安。当所では遺品整理業者の付帯サービスとしてご紹介可能。
対策2: 解体補助金の活用
「不良空家」に認定された時点 で、補助金を使った解体が選択肢になります。詳しくは 松阪市の老朽空き家解体補助金 をご覧ください。
対策3: 古家付き土地での売却
住宅としてリフォーム可能な状態なら、解体せず売却もあり。詳しくは 古家付き土地 vs 更地 を参照。
対策4: 賃貸・民泊・店舗活用
立地次第で、空き家を別用途で活用する選択肢。三重県でも増えています。 - DIY賃貸(借主が改修・低家賃) - 民泊(松阪の観光需要・宿坊型) - 地域コミュニティスペース
対策5: 解体して更地化
最終手段だが、長期的には負担が軽くなる選択。補助金活用で実質負担を最小化。
もし指定通知が届いたら
慌てないこと。段階1(助言・指導)の段階なら、改善すればすぐに指定解除可能 です。
受け取った直後にやること
- 通知書の段階を確認(助言・勧告・命令・代執行のどれか)
- 改善期限を確認
- 市役所(空き家対策担当)へ問い合わせ(感情的にならず、改善意思を伝える)
- 専門家に相談(建築士・行政書士・解体業者)
- 改善プランを立てる(自分で・委託・売却・解体のいずれか)
勧告以降は税金が即跳ね上がる ため、勧告通知を受けたら 数日以内 に動くべきです。
よくあるご質問
Q. 親が亡くなって相続したばかりです。すぐに特定空家指定されますか?
A. 通常、相続から数ヶ月〜数年は猶予 があります。ただし、 明らかに危険な状態(屋根崩落・倒壊リスク等) の場合は早期指定もあり得ます。相続後すぐに現地確認をおすすめします。
Q. 固定資産税が6倍になるのは、勧告日からですか?
A. 勧告された翌年の1月1日時点で、住宅用地特例が外れる 仕組みです。例: 2026年12月に勧告 → 2027年度から税額アップ。
Q. 代執行されたら、本当に撤去費を払わなければなりませんか?
A. 法律上、所有者の支払義務があります。実際の請求例: 300〜800万円(規模による)。払えない場合は所有不動産の差し押さえになり得ます。
Q. 名義変更していない実家でも特定空家指定されますか?
A. はい。登記名義人(故人) + 相続人全員に通知 が来るのが一般的です。「自分の名義ではないから無関係」とは言えません。
Q. 当所はどんなサポートができますか?
A. 現状診断(不良空家認定の見込みあり/なし)・補助金申請サポート・連携解体業者のご紹介・行政との交渉サポートまで承ります。「指定通知が来たけど、何から手をつけたらいいか分からない」というご相談から、お気軽にお声がけください。
まとめ
- 空き家放置の最大リスクは 「特定空家」指定 → 税6倍 → 代執行 → 撤去費請求
- 段階は4つ:助言 → 勧告 → 命令 → 代執行
- 勧告で税金6倍に跳ね上がる(2026年制度)
- 松阪市は「不良空家」(補助金対象)と「特定空家」(撤去対象)を区別
- 早期の現状診断 + 適切な対応で回避可能
「うちの実家、もしかして…」と不安な方は、現状診断のご相談だけでも当所にお気軽に。早めの相談ほど、選択肢が多く残ります。